エピローグ

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 親父にも招待状は渡したらしいが、現れなかった。  みちるさんのことを散々、犯罪者の身内と罵ったのだ。今更、どの面下げて、と思うのも無理はない。  ただ、弁護士を通じて双子名義の預金通帳を渡されたらしい。  双子が大学を卒業するまでの学費に十分な額だった。  俺は親父に、楽久の誕生を知らせてはいない。  なぜなら、楽久は間宮楽久だから。  明堂家の孫ではない。  親父に告げない理由に、楽は何か言いたそうにしていたけれど、言わなかった。  誓いのキスの後、写真撮影をするためにステンドグラスをバックにして全員が並ぶ。  椅子に座る両親のもとに、楽と松尾さんで双子を連れて行く。  俺は楽久を抱き、兄さんの隣に座った。  その途端、「わーんっ!」と双子が同時に泣き出した。  見ると、双子は両親に抱かれるのを嫌がって、手足をバタつかせている。  可愛いドレスも台無しに、顔は涙と涎でベトベト、おむつ丸出し状態。 「ひかりちゃん、どうしたの?」  俺にはいまいち区別がつかないが、楽が抱いているのがひかりらしい。 「いつもと雰囲気が違うからかしらね」と松尾さんが言った。  ふと足の上でもぞもぞと楽久が動き、見ると双子の声につられて目に涙を溜めている。  これはマズい。  俺は楽久の脇に手を差し込んで抱き上げ、視線を合わせた。 「泣くな、楽久。お前まで泣いたら、ママが困るだろ」  意味なんてわかるはずはない。  が、男同士のアイコンタクトとでもいうか、とにかく楽久は何かを察して蝶ネクタイを咥えた。  よし! と大きく頷き、息子を膝の上に抱き直す。
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