番外編*クラス会

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***** 「んっ、ちょ、ダメ……」  説得力皆無な甘い声に、お預けが続いた俺の股間がむくむくと勃ち上がり、スウェットを押し上げる。 「ね、楽久が起きちゃ――」  お決まりの拒絶の言葉をキスで防ぎ、そのまま舌をねじ込む。  パジャマ代わりのTシャツの裾から手を差し込み、夜用のブラジャーの上から突起を突く。と同時に、反対の手でハーフパンツの裾を足の付け根までめくり上げる。 「ふっ……ん」  次に何をされるかわかっていて、彼女の太腿に力がこもる。  ダメだと言いつつも、期待して開いた足を閉じようとしない妻が可愛くて、意地悪をしたくなる。  太腿や足の付け根、尻などを撫で回す。  敏感な部分に近づくと、ピクンと腰が揺れる。  どうして触れないのかと思っていながら聞けない楽に、言わせたい。  触れるほど熱を帯び、まだキスとあっさりとしたお触りしかしていないのに、汗ばんでいる。  早く、もっと、触りたい。  早く、もっと、鳴かせたい。  だけど、もっと、求められたい。  子供(ガキ)くさい嫉妬なのはわかってる。  けれど、楽久が生まれてから、触れ合っていても集中できない。  もっと、どっぷり溺れたいのに、楽久がいつ目を覚ますかと焦ると、どうしてもあっさりとした愛撫に、イクだけが目的みたいな挿入になってしまう。  俺たちは、ダブルベッドに三人で寝ている。  楽は、楽久の夜泣きで俺が眠れないことを気にして寝室を分けようと言ったこともあったが、俺は断固として拒否した。  ネットで、一度寝室を分けてしまったら、そのままずるずるとセックスレスになる夫婦が多いと見たから。  それだけは、何としてでも回避しなければならない。  俺は、楽の体調や顔色を見ながらも、触れ合いを欠かさなかった。  楽も、ハグやキスを嫌がることはなかったし、産後半年ほどで求めた時も、楽久を気にしながらも許してくれた。  ひと月に一度が三週間に一度、二週間に一度と間隔を短くして、何とか一週間に一度の頻度まで待ち込めるようになったのは、つい最近。  だが、セックスの頻度に比例して、時間も短縮しがちになった。  なぜなら、卒乳したあたりから、楽久の眠りが浅くなったから。  楽が離れた瞬間に目を覚ましたり、離れて少しすると泣き出したり。  兄さん家の双子のシッターをしているベテラン助産師の松尾さん曰く、幼児期あるあるらしく、突然ある日を境に、朝まで目覚めなくなるという。  そうなると、子供によっては、本当に何をしても起きないらしい。  それこそ、名前を呼んでも、抱き上げても、地震が起きても。  俺の目下の望みは、早くその日が訪れること。
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