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飲み会で、酔いすぎて綾部君に送ってもらうフリをして、んで綾部君と別れてから、私はすぐに電話帳の一番上にある番号に電話をかける。
「ね〜、聞いてよゆみちゃん。」
『なーにー?』
「あのねあのね、前に話してた上司がまた綾部君に迫ったみたいでさー、ホント妻子持ちの癖に懲りろよあのオッサン。で、私、先輩として相談受けたんだけど、でもどうすれば分かんなくってさ、自信無くしちゃって辛いし、でも一番辛いのは綾部君なのに、自分のことばっかの自分も嫌だし……」
『そうねー、でも本来は紗希に関係ないことなわけだから、抱え込みきれない分を抱え込む必要はないと思うよ。って言っても、抱え込んじゃうのが紗希なんだろうけどね。』
「それでさ、なんかもうすっごく辛くなっちゃったからさ、会社ほっぽって、そっち行っても良いかな。」
『も〜、紗奈ったら嫌なことあったらすぐ私のところ来たがるんだから。ちゃんとするべき事をしてから、ね。』
「わかったよ……でも会いたいよぉゆみちゃん!」
『そのうち、ね。』
ゆみちゃんは、私の恋人。絶賛遠距離恋愛中。
毎日電話をかけるようにしてて、いっつも私の相談に乗ってくれる。
私が人生の諸々に嫌気がさして、どこか遠いところ(というか、ゆみちゃんの所)に行ってしまいたい気分になると、ちゃんと止めてくれる。
しっかりした、私の大好きな、彼女。
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