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「ねえ、姿見えてるけど、触れないって言ったよね?」 「……それがどうかした?」  生前と変わらない穏やかな笑みを浮かべトランプを切る直を、よしのは疑うような眼差しで見る。 「トランプ切れて、あたしに触れないってこと無いよね?」 「触れるって分かったら、未練が増えるでしょ。お互いに。だから、そういうことにしようと思ってた。でも、明日の朝まで一緒に居たら、バレるな、って思った」 「嘘つき」 「でも、コンビニ行けないのは本当だよ」 「直が居たらこのお菓子一緒に食べたいな、とかいまだに思う」 「ありがとう」 「……お墓に供えたら、食べられる?」 「それはねー……」 「失礼します。スペードの3、お持ちいたしました」
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