第一景 宣教師の予言

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昔むかーし、戦国の肥後の国に、 伊万河蛇熊兵衛(いまんがわ・だくまべえ)と言う侍が居た。 蛇熊兵衛は阿蘇氏に仕え剣術指南していたが、 裏切られて切り抜けて辞め、 剣豪を目指して武者修行し始めた。 「おのれ上役!おのれ同僚! 俺が教えた剣術で闇討ちしようとは! だがまあ良い… これで心置き無く鍛練の旅に出れる!」 蛇熊兵衛が街道筋を歩いていると、 何やら人だかりが見えた。 「神は天主のみ、 八百万も居まセーン!」 ポルトガルから来た宣教師、 マタイ・フランシスコが切支丹布教していた。 「遠い異国から遥々ご苦労な事だ…」 「そこのサムライ待って下サーイ!」 蛇熊兵衛が通り過ぎ様とすると、 マタイ神父に呼び止められた。 「な、何だ!?」
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