てはじめ

1/1
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ

てはじめ

ろくすっぽ随想文なんぞ書いたことが無かろうが、書いてはならんと言われた覚えもないので書きたいように書く由、念頭に置かれたし。身の回りに誘惑多く、そこに腹の減った、尚且つ出歯亀めいた猿を投げ込めばこれは何たる醜態かと横目でも人々、街角で抱き合う埒も無い恋人たちを見下げるような顔をするでしょう。醜態を晒さないで生きていけるほど上手な形で生まれてきたわけでなし、けれど、余計に晒さずとも良し。そこでひとつ踏みとどまって、「馬鹿げてるじゃないか?」と足踏みして回れ右大袈裟に駆け足でもしておけば今頃、順風満帆の人らしい人の生活というか、そういう曖昧で詰まらないにしてもまあ不自由なくしあわせに生きられようかというものだけれど、創作していねば寂しいし創作していない自分を好きになってやれないわけでありますから。 早く寝て早く起きることです。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!