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僕の前にはそびえ立つ大きな門。
……ここは本当に日本ですか?と聞きたくなるぐらい。僕2人分くらいの高さ。
その奥に見えるのは白い……お城??
本当にここ、学校で合ってる?
僕は編入生なんだ。高校新1年生として中高一貫の男子校にはいるから今日は入学式の、前の日の入寮日。
案内役の人が門まで迎えに来てくれるって言われたからきたけど来てないなぁ…。
予定の時間まであと2分。
5分前集合を知らないのかな、__。
__「すみません、お待たせしました、!!」
声が聞こえた方を見ると長身のスーツの男性がこちらに向かって小走りでやってくる。
この方がもしかして迎えの方なのかな?
「いえ、僕も今来たところです。」
笑顔でそう答える。
そうですか、とほっとした様子で息をつく案内役の人。今門を開けますね、と門を開けてくれた。
「申し遅れました、私は本校理事長の秘書を務めさせていただいてます、立川と申します。」
たちかわ、さん。…よし、覚えたぞ
「ぼ、僕は小豆沢です!小豆沢 那由!!」
少し吃ってしまったが、立川さんは気にともせずに微笑んでくれる。
「小豆沢さん、ですね。それでは寮まで案内をさせていただきます。」
でもそんな微笑みとは裏腹に立川さんは『くそ理事長……なんでこの俺に雑用頼んだんだよクソたぬき……』と言っていた。
いや、正確には思っていた。だ。
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