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紘人はゆっくりと目を開けた。
頭がガンガンと割れるように痛み、全身はびしょびしょに濡れていた。
「うっ、気持ち悪い・・・」
どうやら紘人は気絶していたようだ。地面にうつ伏せに横たわっている。まず紘人の視界に入ったのは、あたり一面緑の密林だった。
地面は土だが、湿地帯特有の湿気で湿っており、そのせいで全身がびしょびしょだったのだ。
「ここは・・・」
紘人はゆっくり起き上がると、少し辺りを見回した。
紘人は頭を抑えると、ズキズキ痛む頭をさすった。
「・・・やりやがったな、あの野郎。」
紘人は佐々岡に移動呪文を喰らい、無理矢理、旅に出させられたのだと気がついた。
紘人はフラフラと近くの木にもたれかかった。
「どこだ・・・ここは。俺の家の近くにこんなジャングルなかったはずだ・・・。」
紘人はフラフラと軽く歩いて辺りを見回した。
「群馬か?確かあそこは秘境になってるって言ってたな。いや、でもあそこは危険な魔物の巣窟で、人なんか住んでないっていってたな。流石にそんなところへ飛ばしたりは・・・。」
しかし、あのおっさんならやりかねない様な気がした。
「くそっ、どこだ?・・・せめて場所がわかれば・・・。」
その時、真後ろから渋い声で、声をかけられた。
「ここは鹿児島のジャングル、『薩摩川密林帯』だ。」
「なあぁぁぁあぁぁ!?」
あまりにも不意に声をかけられたため、紘人は変な声をあけだながら、後ろを振り向いた。
そこには腕を後ろに組みながら立っている佐々岡がいた。
「お早う。思ったより元気そうだな。」
「いるならもっと早く声をかけろよ!!!」
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