推理する三人

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推理する三人

「これ知ってる?」 「いや、知らない名前だな……」  しかし、◯◯商事って大手の会社じゃないか!?  誰だ!? 街に遊びに行っている奴は!? 羨ま……いや、駄目な奴だ!! 「あら、その名前……」  おかまのおっさんが首をかしげながら言った。 「どこかで聞いたことあるような……」 「お得意の客とか?」 「それなら失礼のないように覚えているわ! 客ならあまり来たことない人ね」 「私も覚えてないわ……」 「けど、名刺が入っているってことはその店に来たってことだよな」 「確かに……それもそうね。それに昨日着ていた服に入っているってことは昨日来た客ってことになるわ」 「成る程……」 「もしかして昨日のことを知っている人かもしれないわ」 「それもそうね」 「けど、肝心の携帯の番号が書いてないのよね」 「名刺なのに!?」 「何て人なの!? せっかく手がかりを掴んだと思ったのに!!」 「本当それ。役に立たない名刺ね」 「昨日のことなら店の人に訊けばどうかな?」 「まだ店には来てないわ」 「うちも~」  体をくねらせながら彼は言う。  とりあえずおっさんは黙ってろ!! 「あっ、とりあえず亜美ちゃんに電話してみよう」  彼女は亜美という人に電話してみた。 「亜美ちゃん。昨日のこと覚えてる?」  電話しながら、えっ? そうなの!? という声が聞こえてきた。 「……そう、分かったわ。ありがとう」 「どうだった?」 「やっぱり山岸という男がクラブに来たそうよ。それからどうも私は彼と意気投合してクラブから出て行ったそうよ」 「私のところも山岸という男が来たらしい」  どうやらおかまも知り合いに電話したらしい。 「えっ、そうなのか!?」 「ええ。そしてセクスィークラブのヒカルちゃんが酔いながら来たそうよ」 「えっ、私が??」 「そして私もお酒を吞んで、山岸さんと、私と貴女三人でタクシーで出て行ったそうよ」 「やばい全然覚えてない…」 「じゃあ、何で山岸じゃなく、僕の家にいるんだ!?」 「貴方、山岸って男知らないの?」 「知らない、知らない!!」 「じゃあ何で知り合いでも何でもない貴方の家にいるのよ!?」 「知るか!! こっちが聞きたいぐらいだ」 「一体どういうことかしらね?」 「そうだわ。うちのクラブに監視カメラ付けているから、それ見たら昨日のことが分かるわ!」 「成る程。その手があったか!!」 「これで山岸が誰か分かるわね!」 「それなら夕方まで待っててね」  そして僕達はセクスィークラブに向かった。 「貴方達は外で待ってて。交渉してくるから」  しばらくしてクラブの裏で待っていると、眉毛を垂らして彼女が来た。 「どうしたんだヒカルさん?」 「見せてくれないって」 「そうか……」 「どうしたの? ヒカルちゃん?」 「あぁ、亜美ちゃん」 「こんな所で人が集まってどうし……? あら、貴方どこかで??」 「え?」  彼女は僕をじろじろ見た。 「貴方、山岸さんじゃない?」 「えっ!?」
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