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「・・・まぁ、そんなわけで、ちょっとオレも試してみたいと思ったんだが・・・自動販売機棺桶付属の取扱説明書を見てみると・・・こいつが、どうもおかしいんだ」
そう言うレッドンはほろ酔いだが、ちょっとだけ真剣な表情になった。
「おかしい・・・とは何がだ?」
今度は船医のブラーウ・グレーグが口を挟んできた。
彼は対人間の医師ではあるが、ミトコンドリア葉緑体電気義手義足等の修理も行う技術屋であったので、全身がミトコンドリア葉緑体ボディの人造娼婦にグイグイと興味をそそられていたのである。
「それがですね!ブラーウ先生」
ブラーウの方を向き直ってレッドンはラノム酒をまたグイと呷った。
「どうも取扱説明書に書いてある人造娼婦とは異なる機種が入っているようなんですよ!」
「異なる機種・・・誰かがスリ替えたのか?」とグリンドー。
「・・・かもしれん。取扱説明書のフォトグラフとも違うし・・・」
レッドンは謎解きを考えている風ではあったが、その解決策として用意していた言葉を投げかけた。
「・・・で、ものは相談なんですがね?ブラーウ先生」
「なんだ?!私に調べろということかな?」
ブラーウ医師が察しよく先回りして返答した。
「さすが、ブラーウ先生は話が早い!・・・人造娼婦の代金についてはオレ等が持ちますンで、ミトコンドリア葉緑体ボディ専門の先生に彼女の診察をお願いしますョ!」
「・・・フン!ずいぶんと意気地が無いじゃないか?レッドンさんよ!」
オレージナが少々軽蔑するような目をして言った。
「・・・まぁ、そう言うなよ可愛いお嬢ちゃん!」
レッドンも負けてはいなかった。
「オレが以前乗った船で似たようなことがあってな・・・出所不明の人造娼婦を若いヤツが金を入れて、出てきたところをやろうとしたら・・・いきなり股間をしこたま蹴られて、首をロックされて、そのまま悶絶させられたことがあるんでナ・・・」
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