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「ハァハァ!速いんだよオメー達は!」
そんなブルアン達のところに、レッドン、パプラ、
そして、やや遅れてブラーウ医師が到着した。
どうやら、フェルト助役は留守番のようであった。
「いや、無事で良かった、ブルアン君!・・・また、黒番犬の一味に狙われたのか?」
ブルアン達の様子を見てブラーウが言った。
「ええ、ブラーウ先生、でも、黒番犬のときと同じく、なんとかうまく追っ払えましたがね?」
事もなげな笑顔でグリンドーが答えた。
「そうか!・・・良かった」
パプラ船長がホッとしたように言う。
「さぁーて、ちょいと出港前夜のパーティが白けちまったンだが・・・こいつは、ドマーロの船の警備をもうちょいと増強しなきゃなりませんな・・・ということで・・・アッシはちょいと船に泊まりますんで!」
グリンドーがそう言うと、不意に機関長のレッドンが口を挟んだ。
「グリンドー!そいつは機関長のオレに任せてくれ!オメーさんはブルアン坊ちゃんを警護したほうがいいぜ?」
「ン?・・・そうか?」
グリンドーは妙なものでも見たような顔でレッドンに向かって答えた。
「・・・私も船長の立場がある・・・グリンドー、私も船に泊まって警備をしよう!」
続けてパプラ船長が申し出たことに対してレッドンは、
「いやいや!船長のようなお偉方に、そんな下働きはさせられねェですよ!」
と妙に下手に出たのだが・・・
「・・・わかった!船長が泊まるなら、航海士であるアタシも泊まるョ!・・・ブルアンの警護はグリンドー一人で十分だろ?」
レッドンの様子を見て、更にオレージナが間に割って入ってきた。
「・・・それなら、私も船に泊まろう!医務室の確認がまだ不十分だったからな」
ブラーウ医師も続けざまに発言した。
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