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関心がない
夕方の歩道に一人歩く少女。
理恵には、友達がいない。
いなくても別に平気だ。
明日は、リコーダーのテストがある。
理恵のリコーダーの音が聞こえる。
少し音が外れた。
橋の上を通った時に片手でバトンのように振り回していたリコーダーが土手に落ちてしまった。
リコーダーをなくすと母親にぶたれるな。
そんな事を考えて橋から土手を見ていた。
ちょうど、クラスの男子が通りかかった。
「落としたの?」「うん。」
「取ってきてあげる。」
そう言って、男の子は土手におりた。
昨日、雨が降ったから土手が滑りやすくなっていた。
リコーダーを取ろうした男の子は足を滑らせて川に落ちてしまった。
水かさが増した川をリコーダーと男の子が流れて行った。
理恵は、リコーダーを無くして母親に殴られるなぁ。
そんな事を考えながら家に帰った。
その夜、男の子が行方不明で大騒ぎになった。
両親も捜索にかり出された。
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