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それからの私は、また前の生活に戻るしかなかった。
9時から5時までしっかり働き、定時に家へ帰る日々。
フラワーアレンジメントの資格を取るための勉強もし始めた。
もちろん、花言葉だってほとんど覚えた。
今はたくさんの花達に話しかけて癒しをもらっている。
花言葉って本当に不思議…
その言葉は花々の中でちゃんと息づいているから。
私は…
これが中々忘れられない…
未練がましい性格は今でも健在です…
そして、その日の金曜日は、いつもと何も変わらない金曜日だった。
「お疲れ様でした」
5時になり仕事を終えた私は、スタッフの皆に大きな声で挨拶をして外へ出る。
金曜日の夕方は、何だか道行く人の顔が明るく見える。
友達との約束があったり、愛する家族が待っていたり、金曜日の夜は明日が休みというだけでそれだけで特別なものになる。
私は…
暦が待ってるから、早く帰らなきゃ…
店を出て左の小さな路地を入った所で、聞き慣れた声が私を呼び止めた。
「暦ちゃんママ!」
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