ときめきの日曜日

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 日曜日の早朝、私と暦は川沿いにある公園まで散歩に行く。  その公園へ行くにはちょっと距離があるけれど、芝生が多く木々の緑も豊かで自然を堪能できるその場所は、私も暦もお気に入りだった。  そして、もう一つ…  1歳になる暦は、重度の犬見知りだった。中々、他のワンコと仲良くなれない。  本当は飼い主である私が根気よくこの苦手意識を克服する術を見つけてあげるべきなのだけれど、ただただ、他の犬を怖がって吠える暦をその場所から遠ざけてしまうのだった。  ということで、早朝の散歩の理由は、まだ他のワンコがやって来る前に済ませてしまおうという私の魂胆だ。  暦のために、他のワンコがあまり来ない散歩道を行く。  歩道脇に生えている植物の匂いを嗅いだり、アスファルトの匂いを嗅いだり、暦の散歩は本当に忙しい。  でも、そんな暦を見て私はほっこり癒される… 「暦、ここで休憩しようか?」  暦に過保護な私はすぐに休憩する。  ベンチに座り暦を抱っこして、二人で公園の風景を見て楽しむのが好きだった。  このベンチの周りにはたくさんの花が咲いていて、私は暦にその花々の花言葉を教えてあげる。そう、勉強を兼ねて…
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