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ときめきの日曜日
「赤いバラは情熱、白いバラは純粋…」
花言葉のテストなんて、本当にもうあり得ない。
でも、私が再出発に選んだ就職先は可愛らしいブーケが評判のフラワーショップで、そして、その店の売りはスタッフが置いている全ての花の花言葉を言える事で…
私は持っていたテキストを放り投げて、暦(こよみ)を膝の上に抱っこした。
暦はクリーム色のミニチュアダックスフンド。
半年前、生後四か月の暦は私の寂しい家に舞い降りた。まるで天使のように、小さな幸せを運んで…
三年付き合った彼氏と別れたばかりの私にとって、暦の存在と新しい仕事は何よりも生きるための活力になった。
それからの生活は全てが暦中心。
暦を一人で留守番させるのが可哀そうで、仕事をきっちり定時で仕上げ 真っ直ぐ家へ帰る生活に変わった。
飲み会の誘いも断り、我が家で待つ小さな天使のために家路を急ぐ。
全く寂しくない…
だって、暦はいつも私を待っていてくれる。
帰って来ると、小さな尻尾を高速で振り顔をぺろぺろ舐めてくれる。
彼氏と別れて自分の存在価値さえ分からなくなっていた私に、暦は生きる力を与えてくれた。
27歳の独身女性に、暦は家族の温かさを教えてくれる。
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