あかつき

お金持ち

　世の中のお金持ちの人口層なんて、全体と比較すれば、「ごく僅か」である。
だって、私の周りを見渡しても・・このお家は、お金持ちだろう？　と思いつくのは、あそこの角のお家、それから・・そう、あそこのお家も・・
それでも数十件に一軒あるか、否かである。

　でも、それらのお家が、どの程度のお金持ちなのかを、尋ねてみたわけでもない。
また、それらを税務署で閲覧できるはずもない。
だとしたら、私が判断したお金持ちの基準は、何だったのだろう？

私が、お金持ちと定義した条件はこうである。
１） 私の家より大きな敷地があり、大きなお家屋も建っている。
２） その敷地のガレージには、高級な車が、２台以上駐車されている。
３） その敷地を囲うような、立派な塀が有り、大きな門扉が有る。
４） その、塀に沿って、よく手入れされた垣根のキャバクラが植えられている。すみません・・「キャバクラ」ではなく「キャラボク」でした。
５） 最後に、そのお家の家族の方が、旦那さんから子供まで、みんな、品が良く見えるから、不思議である。

　東証一部上場の大会社の取締役員役員ともなれば、決まって、山の高台に自宅を構える方が多いようである。
私も、これまでに幾度かそのような高級住宅地を訪れることが有った。
およそ、最寄りの電鉄駅までとなると、路線バスを使わないと、歩いてなんか、たどり着けない、しかも坂道の連続である。
だから、この辺りの、旦那さんともなると、運転手付きの車か、もし車の好きな人だったら、ご自身で高級車を運転しての出勤となるようだ。

あっ、そうそう、この度のテーマは
「お金がない・・」のはずなのに、お金持ちの話ばかりして、あまりにも脇道に外れすぎ？・・　そうなんです、私の悪い癖で、「悲しいと訊かされると、楽しい思い出を話そうとする」「辛いと、頭を抱えれば、シャンプーをしたくなる」・・つまり、そう・・素直じゃないんです。

　だから、「お金がない」と訊くと、お金を沢山、持っているであろう「お金持ち」が、やたら気になるのである。
でも、探っていると面白いことに気が付いた。
３月の決算報告では、大企業と言えども、結構な数の企業が「赤字」を計上している。
　しかも、株主総会ではその赤字金額を堂々と報告している。
また、その会議を見守る株主の多くも、決して慌てる様子など見せないから、不思議である。
　私が勘繰るには・・株主総会に出席するような、役員クラスの私生活では、既にそれなりの資産はお持ちであり、出来れば、少しでも長く役職を続けることにだけ執着しているようにも思える。

　しかし、同じ会社であっても従業員ともなれば、また、違った感じになる。
ましてや、非正規ともなると、会社が思わしく無ければ、いつ、解雇を言い渡されるか・・絶えず不安なドキドキ者となる。