大人の会話 第十八夜くらい(プラス子供の会話)

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角刈りで小太りと、筋肉質で浅黒い、二人の男がうらぶれた様で歩いている。ふと角刈りが叫ぶ。 「俺たちには金がない!」 「身も蓋もねえな兄貴、まあ100%その通りだけど」 冷静に突っ込む筋肉質。 「メシ代どころか、散髪代すらないのだっ!」 「威張って言う事でもない、っていうか兄貴の髪じゃ、説得力ゼロだろ」 「そこでっ、仕方なく犯罪に手を染めようと思うっ!」 「そこはちょっと、言い方に罪悪感をにじませてほしかったところだな」 ぼやく筋肉質、だが顔を覆ってため息をつく。 「まあ仕方ねえな、こんな有様じゃ俺の筋肉も維持できねえし…、で、兄貴、どんな犯罪をするつもりなんだ?」 「聞いて驚くな、『誘拐』だあっ」 「え…?」 「子供を誘拐して身代金を要求するっ!」 「それって成功率むっちゃ低くねえ? 無理だろ」 「いやっ、うまい方法を考えたんだ、これで行くぞおっ!」 駆け出す角刈り兄貴を、追い掛ける筋肉弟分。 「あー、目が血走っちゃってら、これはダメだな…、ああ付き合うしかないか、はああ…」 「あれだ、幼稚園帰りのあいつだっ!」 年少らしいその子供は、肩にカバンを掛け、トコトコと一人で歩いている。 「え、ええー、どう見ても普通の子供だろ。リムジンでお出迎えとかじゃないのか」 「そんな子供は俺たちの手に余るだろっ」 「誘拐犯になろうというヤツの台詞じゃないぞ」
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