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学校での授業で『着衣水泳』なんて事をやってたから、水着ではない、服での泳ぎは、とても大変だって判ってた。
しかも、落ちたところは、管理された穏やかなプールなんかじゃない。
ずれ込んだ梅雨の長雨で、水かさの増した川だった。
水の流れは、とんでもなく早く、深い。
そこに、俺は服を着たまま飛び込んだ。
俺の手足は、吸いついて重くなった服と、水の流れに拘束されて、もう、笑うしかないほどの速さで、水の中に吸い込まれてゆく。
そんな俺が、最後に口の中に残った空気を吐いてしまった時。
泡の間から、とんでもなくキレイなモノを見た。
石のように水に沈んでゆく俺に、これ、が何だかは、さっぱり判らなかったけれども。
ああ、俺。
これを見ながら、死んじゃうんだな……なんて。
変に冷静な気分のまま。
意識が無くなるまで、この、青く輝くキレイな妖怪を、眺めてた。
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