エレベーターでの告白

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エレベーターでの告白

それからの一週間、僕は寝ても覚めても彼女の事ばかり考えていた。 2回目のピアノレッスンは今日の予定だけど、果たして彼女は来るだろうか。 来ないとは思ったけど、大学の授業が終わると足は自然に ダンススタジオに向かっていた。 ビルに着くと、エレベーターの前には何と彼女がいるではないか。 今度は僕が走り込みセーフでエレベーターに乗り込み 「こないだはごめん。いきなりあんな事して。  実は犬の散歩で初めて会った時から君の事が好きだったんだ」 「私もあれからこないだの事ばかり考えてて、何も手がつかなかったの」 とてもピアノレッスンどころでは無くなっていたので、 僕たちはそのまま下に降り、少し頭を冷やして 今後の事を話す事にした。 ビルの近くでは、和馬に見られる可能性があったので 駅とは反対の方向に無言で歩き出した。 しばらく行くと、公園があったのでベンチに腰掛け 僕は重い口を開いた。 「和馬には悪いけど僕は舞ちゃんと本気で付き合いたいと  思ってる」 「私正直言って、自分の気持ちが分からないの。  和君とはダンス仲間から付き合うようになってもう2年も経つし、  一緒にいるのが当たり前になってて。  こないだはいきなりだったから、ドキドキして  今は舞い上がってるだけなのかなって」 「じゃあ、よく考えて返事もらえるかな?」 「わかった。気持ちが決まったら連絡するね」 僕たちはラインを交換し、 彼女は、ダンススタジオに駆け足で戻って行った。        
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