親友の彼女

ライブハウス

ライブハウスに出かけようとすると、姉も暇だから一緒に行きたいと
言うので洋服も選んでもらった手前NOとも言えず、
「チケット1枚しか無いから入れるかわかんないよ。
　それでもいいの？」
「一人くらい入れるよ。行こう、行こう！」
強引に押し切られて一緒に行くことになってしまった。
内心、ライブハウスなんて言った事ないし、同行してくれた方が
心強いと思ってしまう自分が情けなかった。

姉は明朗快活で、誰とでもすぐ仲良くなれる驚異の能力を持っていた。
そんな姉がうらやましくもあり、僕は小さい頃はいつも姉にくっついて
いたが、さすがに中学生になってからは一緒に出かける事も
無くなっていたのでちょっと嬉しかった。

ライブハウスの入り口で事情を話すと容姿端麗の姉を一目見ただけで
チケット無しでもすぐ入れてくれた。
姉が入場すると、皆の視線が一斉に注がれるのが分かった。
僕は誇らしくもあり、横にいるのがなんだか照れ臭くもあった。