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「理解が追いついていないと思うが続けるぞ。この二つの地球(アース)と(スナイデル)だが二つは対の存在なんだ。例えば俺達の住むここ(アース)は科学と文明の発展が進んでいる。(スナイデル)には車やビル等の科学や文明の発達がないんだ。では何があるのか?それが先程見せたスキルや魔法といったものだ。」
いつの間にかクラスの全員が理事長の説明を食いつくように聞いていた。
「向こうの世界の人たちはスキルや魔法をうまく使いながら生活している。そして向こうには人間だけではなく、魔族やエルフそして魔物などほかの種族も存在している。これはスナイデルオンラインをプレイしていたらイメージは出来ると思う。…ここまでは大丈夫か?」
一応理事長が俺達の反応を見るためか確認してくる。が正直もうパンク寸前で、質問とかできる状態ではないためクラスの全員がただ聞いてるだけになっていた。
「まぁ質問等は最後にまとめて聞くから一気に説明するぞ。先程(アース)と(スナイデル)は対の存在といったな?ならもし片方が滅ぶような事態になったとしよう。そうなると残された方の地球はどうなるか分かるか?」
「・・・・・・・・・。」
理事長の質問に誰も答えない。否答えたくないのだ。俺も含め先ほどの説明で理解した人間が何名かいる。それは考えたくない最悪の事態だ。
「どうやら何名かは理解しているようだな。答えを言うともう片方も同じく滅ぶんだよ。同じ時間同じタイミングでな。」
やはり滅ぶのか…。しかし分からないことがまだある
そんな中一人の生徒が手を挙げた。
「すいません理事長。一つだけ聞いていいですか?」
「ああいいぞ。君はたしか生徒会の榊 帝(さかきみかど)君だね。」
榊 帝...1年生から生徒会に選ばれたのは彼1人で、成績優秀、運動神経抜群、リーダーシップもあることから人気もある。俗に言う勇者として選ばれるようなタイプの人間だ。
「覚えていただき光栄です。僕が聞きたいのは先程異世界への集団転移と言われていた件です。」
「それがどうした?」
「恐らくこのA組がこれからその(スナイデル)に集団転移するのでしょう?一体なぜ僕達なのでしょうか?そしてなぜ異世界に行かなければいけないのでしょうか?僕達の中にはいきなりの事で動揺している子達が沢山います。納得できる理由をお聞かせくださいますか?」
さすがリーダーといったとこか。その発言でクラスに漂っていた不安そして恐怖を一瞬で和らげた。
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