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「そうだなぁ･･･ではまず俺達の昔話でもしようか。少し長くなるが大事な話だからしっかり聞いておいてくれ。」
長い話になるからだろう、そう告げると三人は近くの椅子に腰をかけた。
「まず俺いや、俺達がスナイデルオンラインを作った背景は先程説明した通り実際(スナイデル)で過ごした日々をみんなに疑似体験してもらうためだったからだ。」
では、と更に理事長は続ける。
「なぜそんなことをする必要があったかだが20年前のある出来事が原因だ。」
20年前？まだ俺達が生まれる前だ
「当時高校生だった俺たちを含む6人が、ある日(スナイデル)のある王国で行われた勇者召喚の儀式に巻き込まれこの(アース)から異世界へ転移した。」
その続きを朧さんがつづける。
「俺たち6人は同じクラスの仲のいい友人同士で、その日も放課後遊びに行く道中ある通りを歩いていたんだ。そこで急に足元に光る魔法陣が現れた。なんだ？と思った次の瞬間向こうの世界の城に飛ばされてしまった。」
次に親父だ
「勇者召喚された理由は…まぁこれはゲームをプレイしていたら想像できると思うが、簡単に言うと人間と戦争状態になっていた魔王軍の討伐のためだった。」
スナイデルオンラインは確かにそんなメインストーリーがあった。しかしそれが本当にあったことだと言われてもいまいちピンとこない。
「俺達6人は王に頼まれ人間の世界を救うための旅に出た。早い話が魔王討伐パーティとしてなんだが、旅を続けるうちに(アース)という名の世界の仕組みを垣間見ることになった。だがこの話は俺の口からできない一つ目の事柄だから追求はなしだ。」
理事長は大事な話をはぐらかす。これには何人からか不満そうな声が上がりかけたが理事長が視線を送ると静かになる。
「続けるぞ。とにかく俺達は勇者パーティとして魔王城に乗り込み無事魔王を討伐したんだがここで問題が起きた。」
三人の表情が少し暗くなった。
「問題とはなんですか？」
間髪入れず榊が問いかける
「実は魔王の存在がなくなったことで(アース)という世界のバランスが崩れてしまったんだ。世界のバランスが崩れると厄災が復活するとされていたらしく【厄災が目覚めると(アース)は滅ぶ】という伝承があってその通りになりかけた。」
ここで気づく。(アース)が滅ぶという意味の重要度を
「気づいたか？あちらの世界が滅ぶということは対の存在であるこちらの世界も滅ぶという事だ。」
20年前にあった世界が滅ぶ危機
しかし今この世界は滅んでいない。何があったんだ？
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