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騒然としているクラス内で話を続けようにも誰も聞いていなかった
その時だった
ドッカァァン!!!
突如前方にあった黒板が音を立てて大破した
「少し落ち着こうか?」
朧さんはニコッと笑いながら俺たちに告げた。
その右手は黒板の方を向いており何かしらのスキルを使って破壊したのは一目瞭然だった。
しかしその効果は抜群で一気に教室内は静まり返った。
「どうやらちゃんと聞く気になったようだね。では孝君の質問に一つずつ応えようか。」
そして朧さんは右手の人差し指を立ててまず一つめ、と説明を始めた。
「なぜ今集団転移をしなければならないかと言うと、簡単に言えば向こうで施した災厄の封印が解かれそうになっているんだ。僕達が施した封印はやはり完全なものじゃなかった。その為もう一度封印をしなければならない。今度はきちんとした封印をしなければならずもう一度魔王と協力しなければならないのだが…」
そこで朧さんは言い淀んだ。恐らくだが想定外の出来事が起こってるようだ
「何かあったんですか?」
俺が問いかけると朧さんはつづけた。
「前に討伐した魔王は世界の仕組みをおおよそ理解してくれていた穏健派だったのだが、俺達が討伐してしまい現在違うやつが魔王をやっている。しかし現在の魔王は過激派のリーダーで厄災にしても封印ではなく討伐しようとしているんだ。さらに人間界への侵略も進めていてはっきり言って状況はかなり悪い。」
「それって僕達の世界も崩壊する可能性があるということですか?」
この問いかけは榊だ。
「そうだな。厄災は正直人間や魔族がどうこうできるものじゃないんだ。対応方法は封印しか今はない。厄災が目覚めれば確実にスナイデルは滅びアースも滅びることになる。だからまず君たちには集団転移後勇者パーティとして魔王討伐を。その後穏健派の魔族を魔王に立ててその後協力して厄災の封印をしてもらいたい。これが君たちに集団転移をしてもらう理由だ。」
「分かりました。なら先程笹原君が言っていたもう一つの質問です。なぜ僕達なのでしょうか?正直僕達が選ばれた理由が全くわかりません。」
榊の問いかけは続く。そしてその問いかけに対しても朧さんはゆっくりと答えてくれた。
「まず勇者召喚の原理を軽く説明すると(アース)と(スナイデル)の世界線を超える時超越された力を得ることが出来るのだ。例えるとこちらのごく普通の高校生があちらに行くだけで能力的には上級冒険者並の力を最低限得れる。さらに特殊なスキルを得ることも出来る。」
そしてと続ける
「君たちが選ばれた理由だが一つ先に聞いてもいいかな?」
そう言いながら朧さんは説明を少しやめ俺たちに聞いてきた。
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