世界ランカーのソロプレイ

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世界ランカーのソロプレイ

*この部分だけ三人称です。 ・・・スナイデルオンライン内とあるダンジョン・・・ 一人の男が草原がメインのダンジョンに来ていた。 見た目は160センチほどの小柄な体型で黒のズボンと白いシャツ。そして黒いマントにフードを被るスタイルで傍から見たら不審者になるかもしれない。 彼の名前は笹原孝。このゲームで数少ない日本人の世界ランカーだ。 普段からマルチプレイは基本的にせずソロプレイで攻略している。そのため職業は一人で動くには最適とされている『暗殺者』だ。 彼が今いる草原・・・ディル草原は高レベルのモンスターがわんさか出るダンジョンで基本的にパーティーを組んで攻略する高難易度ダンジョンである。 そんな場所にひとりでいるのはなんとも場違いなのだが孝の周りには人なんていない。いるのは涎を垂らしまくっているトラ型モンスター(デルタイガー)だ。 完全に孝はデルタイガーの捕食対象にされているのだが本人は全く気にせず目の前の虎の観察をしている。 (ふむふむ。体格はかなり良さそうだな…パワータイプか?いや、前にパーティー組んで戦ったやつが速さに圧倒されて瞬殺されたんだったか?) それならと孝は腰につけてある短剣を左右の手に1本ずつ握る。 孝のプレイスタイルは短剣の二刀流による手数で攻めるスタイルだ。そして様々なスキルを駆使しどんな相手も葬ってきた。 孝がこの危険地帯に来たのも新しく取得したスキルの試し撃ち。そして昨日考えたスキルの組み合わせがどんな効果を生むのかを確かめに来ただけなのだ。 なので焦ることなくデルタイガーの飛びかかりを無駄のない動きで躱す。 二度三度交わしたところで孝が仕掛けた。 「とりま『連空斬』っと。」 連空斬・・・斬撃を飛ばすスキルでスキルのレベルが上がると威力、射程距離、クールタイムが短くなる。 孝の『連空斬』のスキルレベルはMAXなので威力は斬撃を通さないと言われる鉱物系のモンスターに大ダメージを与える。射程距離は3mでクールタイムも5秒と短剣スキルの基本ながらチート級の威力になっている。 なおかつ二刀流なので手数は2倍。そこら辺のモンスターならこのスキルだけでワンサイドゲームだ。 デルタイガーも二刀流から繰り出される『連空斬』を避けることが出来ずダメージを受ける。 更にノックバックのオマケ付きだ。このスキを孝が逃すわけなく次のスキルを発動する。 「『気配遮断』」 これは暗殺者の必須スキルでタゲを外すことが出来る。 このスキルをMAXにすると長時間相手に気づかれることなく行動できる。なので隠密行動や暗殺がとても楽になる。当然孝のスキルレベルはMAXだ。
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