86人が本棚に入れています
本棚に追加
なあ、分かってるのか榊・・・
今ここにいる奴らはおまえの一言でやる気を出してるけど、この中でどれだけのやつが気づいてるんだろうな?
今から始めるのは【スナイデルオンライン】の世界とはいえ現実なんだよ
ゲームみたいに負けたらリセットはできない。負け=死という事だ。
そして二つの世界の全てをこの30人の学生が背負わないといけないんだぜ?
そう思いながら周りのクラスメイトを眺めるがその目には悲壮感など一切ない希望と楽しみに満ちたキラキラした瞳を宿しているものがほとんどだった。
「ち、浮かれやがって・・・あのバカ焚き付けた責任取れよな・・・」
ボソリと聞こえたのは桐ヶ谷の声だった。
見た目ヤンチャでめちゃくちゃそうなやつだがこの中で唯一今後のことを見据えてるようだ。
(あ、思い出した。確か桐ヶ谷と榊は幼馴染だったけ?)
どうやら彼はこの後彼の否彼らのお守役になってしまうのだろう。
「あ?何見てんだよ!?」
「別に。」
そう思ってたら目が合ってしまった。
やはり怖いものは怖いのである程度距離をおこうと固く決意した。
「ありがとう。これから君たちは(スナイデル)にある王都の大部屋にこのまま転移することになる。」
頭をあげた理事長が説明を続ける
「そこでその国の王から今の現状とこれからの予定を聞かされることになる。あ、心配しなくてもいいぞ。あの王は礼儀とか気にしないから友達に会うくらいの気持ちで接したらOKだ。」
「「「いや!?出来ねーよ!!」」」
この時だけはクラスの心が一つになった気がした。
「別に気にしないと思うけどなぁ。」
「いや、それはお前だけだ。」
すかさずオヤジがツッコミを入れた。
「まぁ、行ってみたらわかるよ。向こうの仲間と一緒に君たちのサポートは万全にさせてもらうから分からないことがあれば都度聞いてくれ。」
最後に朧さんが説明を閉めた。
そうこうしている間に教室の床全体に光る絵のようなものが現れた。
「これが転移魔法の魔法陣だ。もうすぐ(スナイデル)に到着するがそのまま気楽に待っていてくれればいいぞ。そんな緊張すんなって。」
理事長がそう言うがクラスの大半の顔は強ばっている。
さすがに俺も少しドキドキしている。
光が強まる
そして教室全体が真っ白になった時周りの雰囲気が変わった。
最初のコメントを投稿しよう!