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(とある建物内)
世の中が寝静まった深夜、孝が通う学校の裏手にある建物内に男が3人集まっていた。
1人は有名ゲームの開発者
1人は学校の理事長
そしてもう1人は至って普通のサラリーマンだ。
理事長は椅子に座りその前に2人が立っている。
「いよいよ明日だな・・・」
「あぁ、ゲーム開発から計算しても15年もかかったが遂に来たな。」
理事長と開発者が話している隣でサラリーマンが口を開く。
「本当にいいのか?あちら側の準備が整ったとはいえお前の教え子だろ?それをいきなり30人もあちらに飛ばすなんて・・・」
「それはお互い様だろ?お前は実の息子をあちらに放り込むんだからな。」
理事長が食い気味に言い放つと二人の間に険悪な雰囲気が流れる。
「ちょいまち。そんなこと言い争っても意味無いでしょ?時は来たんだし俺達はできる範囲の準備をしてきたじゃん!」
そんな間を開発者が取り持つ。何年経っても変わらない関係だ。
そう、15年前に異世界『スナイデル』を魔王から救った勇者パーティーとして旅をしていたあの日から変わらない。
「まぁそうだな。準備はしてきた…後は生徒達に任せ切りになるが俺達もできる限りのサポートをしよう。」
「あぁ、悪かった。辛いのはお前も一緒だもんな。」
険悪な雰囲気は無くなり今後の話し合いをする。
「では明日9時にA組の教室に来てくれ。」
「「了解だ。」」
手短に打ち合わせを終えると三人の姿は建物内から消えた。
まるで魔法でも使ったかのように一瞬で姿を消したのだ。
さぁ、全ての準備は整った。
始めようか…世界ランカーが気まぐれでも世界を救うその物語を。
その先に待つのは栄光かはたまた・・・・・・
そして夜は明け運命の一日が始まる
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