二千二十九年 六月七日 午後十一時四十三分 九州地方 長崎県

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二千二十九年 六月七日 午後十一時四十三分 九州地方 長崎県

男は不幸だった。 靴を脱ぎ、フェンスの向こう側に立つ。 未練が無いと言ったら嘘になる。が、これ以上生きていても何もないだろう。 決心は揺るがなかった。 身を乗り出す。 刹那の浮遊感の後、落下。 走馬灯を感じる間もなく、地面。
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