貴方が..彼女が..

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貴方が..彼女が..

私を盗んでくれたのは貴方だった。この醜い家が周りが、全く私の本心を見てくれないくて嫌いで嫌いで仕方なかった。けど貴方だけは見てくれた。毎晩のように私の部屋のベランダに現れてくれる。 俺を虜にしたのは彼女だった。実に可憐で美しく微笑む顔も麗しかった。だから毎日彼女の元に毎晩訪れては楽しく談笑した。 私は貴方のことが好きでたまらなかった。だけどまだ少し貴方を信じきれていない自分がいた。だから私は賭けをしたの。 俺はある日彼女に「賭けをしてみない?」と言われた。内容は「100日間私の元に通うことが出来たら私は貴方と一緒にこの家を出るわ、もし通うことが出来なければもう会うこともないわ」 私は怖かった。これでもし、嫌われてしまったら...だけど貴方は「えぇ、仰せのままに。貴方に100日間黒色の薔薇を送りましょう。」貴方は私の手の甲にキスをしてくれた。 俺は嬉しくてたまらなかった。彼女は俺を求めてくれているのだ。ああ、なんて愛おしいのだろう。 あれから貴方は毎晩黒色の薔薇を私に送ってくださった。雨の日も風の日も、雪が降りしきる日も欠かさず来てくれた。ああ、嬉しくて愛おしい。貴方の愛を薔薇を見るたび思い出して、この日々がたまらなく愛おしい.. 彼女のために毎晩通いつめた。苦しくても風邪を引いても、寒くても彼女の顔を見るだけで辛かった心が満たされる。薔薇を渡した時に触れる指先が冷えているのを感じると胸が苦しくなる。彼女は俺が来るのを待っていてくれたんだ。早く、この手で抱きしめたい... 貴方が通いつめてとうとう100日になった。今日で薔薇は100本になる。薔薇を渡した貴方の指先は少しざらざらして、貴方からは貰ってばかり..本当に私は貴方のそばに居ていいのね?もう私には私しかあげるものが無い。 俺が通いつめて100日目、最後の黒色の薔薇を差し出す。彼女は「本当に私は貴方のそばに居ていいのね?」と問う。不安げな彼女の表情に俺はそれすらも愛おしく思う。ああ、嬉しくて愛おしいくてたまらない...俺は跪いた。 「ええ、|Forever love that will never die《決して滅びることのない愛を永遠に》」 貴方は目の前で跪き私の手の甲にキスを落とす。ちゅっと夜に放たれるリップ音が妖美に聞こえる。恥ずかしい。貴方は私の瞳を見つめる。とてもギラギラとした熱い瞳... ああ、なんて愛らしい人だ。今すぐにでも彼女を攫ってしまいたい。彼女の瞳が俺の瞳を写す。見てくれている..熱をおび艶めいた瞳の彼女、月に照らされ美しい。 貴方はすくっと立ち上がり、私の髪と左頬の間に貴方の掌がすらりと入いる。 彼女は熱をおび艷めく瞳をゆっくりと閉じて行く。彼女の少し震えた口に触れる。 貴方の口に触れたところが熱くて、今私はとても貴方に見せられない顔をしているのでしょう。貴方が向ける瞳が私を写す。見てくれているのだ。ああ、私は愛されているんだ。たまらなく嬉しい... 彼女の瞳から一つ、また一つと雫が落ちる。だが、その表情は微笑み笑っている。胸が苦しくなる。 貴方は私の出した涙をガラスに触れるかのように優しく優しくキスを落としてくれる。何度も何度も、私が泣き止むまで、ずっと。そして貴方は私をぎゅぅッと抱き締めてくれる。幸せだ..なんて幸せなんだろう... 彼女はゆっくりと顔を上に向け私を見上げてこう言った。「私を愛してくれてありがとう」それから彼女は自分から震えながらも、ちゅっとリップ音をたてキスをした。 貴方は驚いた表情でこちらを見てから少し頬染め、顔を近ずける。 彼女は真っ赤に顔を染めながらこちらを見ている。少し開いた口にすっと舌を入れる。 貴方から受け取けとった私の宝物、思い出がたくさん入った私の心は今ゆっくりと貴方が溶かしてくれる。 俺が見つけた美しくて愛おしい彼女は俺の中でのたった一つの宝物、俺の恋焦がれた思いがやっと彼女に届いた。 「「ああ...くるしい」」
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