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大ちゃんと真由美は、小学生の頃、同じフラッグフットボールチーム(※)に所属していた。 女の子は真由美ひとりだけだったらしいが、クォーターバック(QB)というチームで中心的なポジションの二番手だったというから凄い。 ふたりが6年生の頃、チームが東日本大会で優勝したというくらいだから、よほど上手だったのだろう。 6年間一緒にスポーツをしていた大ちゃんと真由美の仲は良い。 近所に住んでいたというだけの私より、大会へ向けて共に頑張っていた彼女との絆は、とても深そうに見える。 私といえば、フラッグフットボールに疎く、当時大ちゃんがショットガンがどうの、タッチダウンがどうのと一生懸命に話すのを、興味もなく適当に聞き流していたのだから。 大ちゃんが楽しそうに話す姿を見るのは好きだったけれど、いつまで経ってもルールはよく分からなかった。 だから、大ちゃんにとって私は、近所に住んでいたただの幼なじみ。今も昔も、それだけの関係でしかない。
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