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一方私は、勉強も運動も苦手で、クラスの中でも目立たない存在。
それでも、大ちゃんがアメフト部のあるこの学校を受験するつもりだと聞いてからは、猛勉強をした。
私には手の届きそうにない学校だったけれど、大ちゃんと一緒に通いたい一心で頑張り続け、なんとか合格することができた。
ところが早々に勉強につまずき、半年ほどが過ぎた今は、ちょっと苦しい状態だ。
そんな私のことを最近は親も気にかけているようだから、なんとか巻き返したいのだけれど……なかなかうまくいかない。
「おい」
コツンと、指でおでこを弾かれた。
顔をしかめる私を、大ちゃんが目を半眼にして見据えている。
「ちゃんと集中しろよ」
どうやら、真由美たちの会話に気を取られていたことがバレたようだ。
でも、おでこはそれほど痛くない。
「ごめん」
素直に謝ると、大ちゃんは少しだけ目元を緩めた。
それからもう一度、不出来な幼なじみに、丁寧に問題の解説を繰り返した。
ホント、親切だよね……
大ちゃんの厚意に改めて感謝の念を抱きつつ、私は気を引き締め直し、彼の説明に聞き入った。
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