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今日は10月2日。
出席番号に「2」が付く人が、授業で当てられやすくなる日だ。
猫背と老けた顔立ちのせいでとても20代には見えない数学の恩田守先生は特にその傾向が強く、出席番号12番の私は、いつ声をかけられるかとビクビクしながら授業を受けた。
幸い、今朝も大ちゃんの登校時間が早く、一通り宿題の確認をしてもらえたから、なんとか乗り切ることができたのだけれど。
「いいじゃん、いいじゃん。祐香に頼られたら、大貴も喜ぶって」
「……そんなことないよ」
私に頼られたら、大ちゃんはきっと断れないだろうから。
そう思った途端、なんともいえない気持ちになった。
心が沈みかけた時、
「そんなことあるよ」
と、断定的な口調で真由美は言った。
「あいつ、祐香に教えてる時、すごく楽しそうだもん」
楽しそう?
全くピンとこなかった。
むしろ──
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