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短いツーブロックの髪、スラリと高い背。 日に焼けた肌に、白い半袖のワイシャツが映えている。 大ちゃんだ。 彼は普段、始業時間ギリギリに登校してくる。 が、稀に今日のように早い時間に来る日もある。 部活の朝練があるとか、クラスの当番があるとかそういう理由ではない。 本人いわく、単なる気まぐれらしい。 一瞬頬が緩みそうになったが、嬉しさよりも戸惑いの方が勝ってしまった。 私は下を向き、足の速度を落とした。
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