98人が本棚に入れています
本棚に追加
短いツーブロックの髪、スラリと高い背。
日に焼けた肌に、白い半袖のワイシャツが映えている。
大ちゃんだ。
彼は普段、始業時間ギリギリに登校してくる。
が、稀に今日のように早い時間に来る日もある。
部活の朝練があるとか、クラスの当番があるとかそういう理由ではない。
本人いわく、単なる気まぐれらしい。
一瞬頬が緩みそうになったが、嬉しさよりも戸惑いの方が勝ってしまった。
私は下を向き、足の速度を落とした。
最初のコメントを投稿しよう!