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─2─
学校に着く頃には、太陽は雲の間からはっきりとその姿を現していた。
「暑いな」
「うん…溶けそう…」
肌を焦がすような強い日差しから逃げるように、私たちは早足に校内に入った。
3階にある教室は、既にクーラーが効いて涼しくなっていた。
早い時間。
数人のいつもの顔ぶれに挨拶をすると、私は自分の席にバッグを置いて、中から化学の教科書とノートを取り出した。
大ちゃんは教室の隅に置いてある折り畳み椅子を運び、自分の机の横に広げた。
お礼を言って、しずしずとそこに腰を下ろす。
ちょっと腕を動かせば触れられるほどの、近い距離。
たちまち胸を高鳴らせた私の手から、大ちゃんはするりと教科書を抜き取った。
そして、机の上に開いて乗せる。
私は大仰にため息を吐いた。
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