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「あ、あの…、ボク未成年だけど…」
「あら、いらっしゃいませ。ここは未成年でも大歓迎ですよ」
ボク・柏原 紀はホッとして店内に入ると、キョロキョロと回りを見る。
「お客様はお一人?」
「は、はい…」
「では、カウンターにお座りになれば?」
「え?いいですか?」
「どうぞ、お座りくださいませ」
女将の勧めもあり、ボクはカウンターの端に座ることに。
「あ、あの…、メニュー表ありますか?」
「あら、ウチは日替わりなのでお献立は置いてないの。お客様は未成年だから、酒はお飲みされないでしょうね?」
「はい…ボクは高校を卒業したばかりで。しかも田舎から来てるので…」
ボクは熱々のおしぼりで手を拭きながら、地方から来たと伝える。
「まあ、××地方から!あたしも別の地方から来てるわよ!ここへ来て20年も経ったけどね」
「え!20年もですか!ずっとここにですか?」
ボクは女将も地方出身で気楽に話し合える相手が出来たと、内心で喜んだ。
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