小料理店の女将

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「柏原さん、あたしたち今日に会ったばかりよ。何も知らない相手と付き合うわけには」 「そうですよね。じゃ、まだ来ます。ご馳走様でした」 ボクは彼女の言う通りだと思い、本日は大人しく引き下がることにした。 しかし、翌日からボクは仕事量が増えて彼女の店へ行けなくなった…。 彼女の店へ行かなくなって数ヶ月後の日曜の朝、ボクは近所のスーパーへ買い物に出かけた。 「久しぶりに来たな」 近所にありながら仕事で行かなくなっていたスーパーで買い物をしていたボクは菓子パンやインスタントラーメン、冷凍食品を買い物カゴに入れていると… 「あら?柏原さん?」 「え!あ、あ…、や、山科さん!」 レジに並ぼうとするボクは背後から声を掛けられ、振り向くと彼女が立っていた。 「これ…インスタントばかりね。体に良くないわよ?」 「うん…料理をする時間がなくて…」 ボクのカゴを覗いた彼女が表情を険しくしたため、ボクは慌てて理由を説明する。
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