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「じゃ、あたしの家に来る?栄養のある料理を食べさせてあげるから」
「ほ、ホントですか!よ、よろしくお願いします!」
彼女に料理を作ってくれることになり、ボクはカゴの中の物を元に戻した。
「ご馳走様でした!」
「お粗末さまで」
「とんでもないです!凄く美味かったんですよ!」
彼女は予想に反して、店の二階にある1DKに住んでいた。
「ホントに一人で住んでるんですね」
「ウフフ、店を持ってからは家賃などで苦労してるわよ」
「………」
彼女が苦労していると知り、ボクは少し胸が痛くなった。
「山科さんは帰郷しないんですか?」
「両親は小さい時に亡くしていて、祖母に育てられたわ。その祖母も三年までに亡くなったから、もう故郷はないわ」
「そうですか…。ボクも親を知らないまま育ってきました」
「え…?お母さまはいるでしょ?」
「うん、母は再婚して出て行きました。ボクも伯父に預けられたんですが、卒業する同時に家を出ました」
彼女の生い立ちに驚きつつも、自分も親から見放されたと説明した。
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