「クロスロードの靴」13 かおりさんの詩1「永遠の眠りに」

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「クロスロードの靴」13 かおりさんの詩1「永遠の眠りに」

 永遠の眠りに    目が覚めると暗い部屋の中  目が覚めると眩しい光の中  目が覚めると友が遠ざかる  出来事に繋がりが見えない   気がつけば笑った人が訝しい顔をする  気がつけば知らない顔が私を取り巻く  気がつけば背を向けて逃げ出していた  受け入れる勇気がなくて心を閉じた    異空間への瞬間移動  過程を消し去る神の所行  私は抗う術もなく流される  瞬時に体が凍りついてゆく  望まない絡繰を見抜けない    辻褄の合わない光景が目に映る  きょろきょろ見回して不安になる  私の知らない人  私を知らない人  どちらも互いを畏れている  私は自分の存在を  否定したくなる  逃れられるならば  永遠の眠りに
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