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千田君は変わってる。
千田君は変わってる。
小中ずっと同じ学校で、同級生だった私から見た感じもそうなんだけど、千田紫月という子は他の子達とは明らかに違ってて、目立ってたもんだから、生徒だけでなく先生からも扱いが難しいと敬遠されてたし、一部の子からはバカにもされていた。
まぁ無理ないよなと思ってしまう事を、彼は悪気ないにせよ、よくしでかすのだ。
けれど彼からしてみたらそれが普通なわけで、平常運転なのだから、きっとどうしようもないんだろうなと私は思っていた。
人と会話するのを極端に嫌ってるみたいで、いつも下ばかり向いて、目を合わせようとしなくて、一人で本読んでたり、何か考え耽って訳分からない事呟いてるもんだから、何あいつ危なくない?ってヒソヒソ囁かれるヲタクのテンプレみたいで、皆に変わってるって思われてた。
声をかけられても千田君は、我ここに在らずで聞こえてなくって、先生は見かねて「おい、千田!聞こえているのか!返事しろ!」って注意と言うよりもかなりキツ目に怒鳴っても、まるで耳の遠いお爺ちゃんみたいに遠い目しながら「ああ〜」って空返事するもんだから、余計火に油注いじゃって、先生みるみる赤くなって炎上しちゃって、それをクラスの男子はクスクス笑って楽しんでて。そいうのも日常茶飯事で、それでもって担任と千田君の根比べはいつも千田君の圧勝だったんだ。
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