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雪也とあたしは幼馴染。
母親同士が親友で。誕生日まで、一緒で。
生まれから、ずーっとそばにいた。
ずっとずっとそばにいて、双子のようだと笑われた。
「うわあああん、転んだあー、雪也ぁ」
「大丈夫、オレがおんぶする」
「雪也チビだから無理だよ」
「大丈夫、オレ、男の子だし」
「でも、でも、あああ、やっぱり雪也がつぶれるうう」
「だまって。大丈夫だってば」
そう言って、いつもあたしを助けてくれた雪也。
小柄で、あんま身体も強くないのに。
フラフラになって、あたしを家まで運んで。
結局疲労で熱を出して。
あたしは泣きながら看病したっけ。
「ごめんなさい、雪也ぁ」
「いいよ。あめ乃」
「あたし、ヨーグルト買ってくるから」
「そんな、お母さんたちに頼もうよ」
「お小遣い、あるもん! 自分で行けるもん、もう、五歳だし」
「危ないよ!」
「いくもん!」
そう言ってあたしは家を飛び出して。
……だめだ。そこであたしの記憶は終わっている。
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