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フロントでもらったキーで、部屋のドアを開けて照明をつける。龍崎の後ろについて佐田も部屋に入った。 勢いとはいえ、本当に入ってよかったのかとドキドキしながら立っていると、椅子に荷物を置いて龍崎が笑う。 「何もしませんよ、座ってください」 ベッドに佐田は腰掛けた。龍崎は途中コンビニで買ったペットボトルのお茶を佐田に渡した。 「ありがとう」 受け取ろうとした佐田の手をグイ、と龍崎が掴む。驚いて掴み損ねたペットボトルが床に転げていった。 「急がせて悪いんですがさっきの答え、聞きたいです」 「お前、さっき部屋で考えさせてくれるって…!」 「そんなの、口実です」 ずい、と龍崎が顔を近づける。まん丸の瞳が間近に見え、佐田は思わず目を背けた 「嫌いになりましたか?気持ち悪いですか?」 「…」 佐田は正直、気持ち悪いとは思わなかった。ただ、驚いただけでさらに付き合うとか考える間も与えられてなくて、戸惑っていた。 「気持ち悪くはない…お前がいなくなる方が、嫌だ」 「じゃあ!!」 佐田の視線に入るように回り込む龍崎。どんどん顔が近くなっていく。 「そんなに急ぐなよっ」 「ダメなんです、今日結論だして。佐田さん、お願いだから」 何故今日にこだわるのか、佐田はもう龍崎から目が離せなくなってしまう。いつになく真剣な顔。 「お試しでもいいから」 子犬のように必死な顔と言葉に佐田はプッと吹いた。 「お、お試しってお前、そんなんあるか」 「だって…」 「あーもう、分かったよ!俺の負け!」 「えっ」 「付き合ったらお前、いなくならないんだよな」 真っ赤になった佐田を見て、龍崎が笑顔になる。 「うん!」 そういうと、そのまま、佐田にキスをしてきた。 「〜!」 柔らかい唇の感触。顔を離すと佐田が抗議する。 「だから早いって…!」 「佐田さんが冷めないうちに」 龍崎はそのまま佐田の身体を抱きしめる。柔らかい龍崎の髪の毛が顔をくすぐる。 「ごめん…本当に、好きなんです…」 佐田の方に顔を置き、龍崎は小さな声で呟いた。 「お前、強引に来る割には小心者だなぁ」 空いた手で龍崎の身体をポンポンと叩く。気持ち悪いと思わないし、いなくなる方が嫌だと思った時点で、もしかしたら自分もそう言うことなのかもしれない。キスも驚いたとはいえ… (意外ととイケるんじゃないか) そう、思ってしまったのだ。 「龍崎」 名前を呼ばれ、顔を上げた龍崎に、今度は佐田からキスをする。 「ん…っ」 唇が離れると龍崎の顔は真っ赤になっていた。その顔を、可愛いと思う。キスだって、大丈夫だ。 目を合わせると、龍崎がとろんとした目で見つめている。 「もっと、したいです」 そういうと佐田の身体をぐっと押して、仰向けに倒した。ギシっとベッドがなった。 「ちょ、早すぎっ」 「もちろん挿入まではしませんよ」 「当たり前…んっ」 またもや、龍崎の方からキスをしてくる。今度は深いキスだ。 龍崎の舌が佐田の口内に入る。おずおずと佐田が口を開けたら、すぐに舌を絡ませてきた。 ちゅ、と音がするたびにぞくりとする。 「あ、ふっ…」 身体もジン、と熱くなってきている。龍崎はどこまで触る気なんだろうか。唇を離すと、唾液の糸が見えてさらに身体が疼く。 ふと、龍崎がスラックスの上から佐田自身を擦る。 「やめ…」 「佐田さん」 耳元で龍崎は息を吹きかけて、囁く。 「一緒に、気持ちよくなりましょう」 外に出された佐田のソレと、龍崎のソレを合わせるように龍崎が掴む。 向かいあったお互いの顔は真っ赤で、息が荒い。 他人に触れられること自体、初めての佐田は何度も頭を左右に振る。 「…んあ、…つ、…あっ…」 上下に扱かれて、佐田は嬌声をあげていた。そんな佐田の耳朶を龍崎が舐める。 「ひゃ…っ!」 「気持ちいい?佐田さん」 耳元で囁かれ、佐田はトロンとした顔でうなづいた。 「気持ち、いい」 「残念ながら今日はこれだけだけど、次、会ったときは全部しようね」 「全部っ…って、無理…」 「大丈夫、優しくするから…ッ…」 だんだんと余裕がなくなっていく二人。絶頂を迎えそうになった時、龍崎が笑顔見せて言う。 「一緒に、いこ…!」 「あああっ…!」 ビクっと二人の体がしなり、白濁したソレが勢いよくあたりに飛び散った。
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