田中の日常(2)

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田中の日常(2)

「高校時代は男子の間で女王様と呼ばれていたけど、まさか本当に女王様になるとはね」 田中はそっとズボンの中に手を入れ始めた。 「はぁ、高校の体育の授業を思い出すよ。あれは凄かった。あいつがジャンプをするたびにどよめきが起こったもんな。しかし、本当にすごいな」 田中は動画の再生を停止し、ラスト十秒の画面を凝視した。 「ふん、高校の時は男子にめちゃくちゃ冷たかったあいつが、まさかこんなことをやってるなんて。あいつ相当欲求不満なんだな。はぁはぁ、高校の時から、はぁ、エロいことばっか、はぁ、考えてたんじゃねえか?はぁはぁ、とんだビッチだぜ!はぁはぁはぁ、男のオカズになった気分はどうだ?はぁはぁはぁはぁ、クソビッチめ!あぁぁ、くぅ」 田中の体内から醜く歪んだ欲望の塊が、この世界に吐き出された。その醜悪な欲望の塊は、ベトベトと粘り気があり、臭い。
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