田中の日常

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田中の日常

田中は森の裏アカの投稿を見るたびに爆笑した。 現実に右往左往する森の姿を想像しては、彼の愚かさを馬鹿にした。今の田中にとって、他人の不幸だけが快楽だった。彼は現実に苦しむ友人たちの投稿を見ては、勝ち誇った気分になった。唯一自分だけが現実から解き放たれ、現実を相手に苦しまずに済んでいることに優越感を感じていた。田中はTwitterという媒体を通じて、友人からマウントを取っていたのだ。 田中はスマホの電源を切り、ベッドに横たわった。 「はぁー、森のやつ相変わらずクズ野郎だな」 思わず笑みがこぼれる。 「しかし、あんなやつにも彼女ができるとはな。まあ、どうせ、女にとって森は金づるでしかないんだろうな。ふふ、そんなことにも気がつかないとは、馬鹿なやつだ!」 田中はそう言い終わると、スマホの電源をもう一度つけ、検索画面を開いた。そして、お気に入りのAV女優の名前を検索し、ネットにばら撒かれている無料の動画群を物色し始めた。一時間かけて、ようやく今の自分の好みに合う動画を見つけると、動画を再生し、ズボンの中へ右手を突っ込んだ。彼はゆっくりと右手を動かし始め、そして徐々にピッチを速め、興奮を高めていく。
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