エピローグ

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「だから言ったじゃないですか! わたしも手伝いますって!」 「いやそれ無理だろ! おまえ字汚ねぇじゃん!」 「だーかーらー、今必死にペン字練習してるんですってば! っていうか、そもそも字が綺麗な必要ってあるんですか?」 「あるに決まってるだろ、ばか!」 「なっ……! ばかって言う方がばかなんですー」  あんなにドラマチックな後夜祭を過ごしたというのに、わたしたちの低レベルなやりとりは相変わらず。  だけど変わったこともあって、それは……―― 「あら」  背中から葵先輩の声が聞こえてきて、くるりと振り向いた。  葵先輩はうふふと笑うと、楽しそうに一枚のメモ用紙をこちらに向ける。 「『初デートのプランを考えてください』ですって」  聞き覚えのあるその文言に、目をぱちくりさせて晴海先輩を見た。 「……ったく」  息を吐きながらゆっくり体を起こす晴海先輩。そのまま先輩とわたしのカバンをひょいと担ぎ、三歩ほど歩いたところで振り返ると、「ほら」と言ってわたしに右手を差し出してきた。 「えっ? えっ?」 「え、じゃない。行くぞ」  焦れた先輩がわたしの左手をぎゅっと握る。そのままぐいっと引っ張られて、先輩と共に歩き出す羽目に。
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