エイリアン・ストリーム

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 今週で3つ目の台風だ。この1週間は外に出ていない。  激しい風雨が窓を叩きつける。  異常気象が続くことにも、もう慣れてしまっていた。  どこからか飛んできたビニール袋が窓をかすめていく。   木の枝がぶつかり、窓ガラスが振動する。  何度も、規則的に。  窓のほうを見ると、黒い影があった。  近づいて見るとタコがへばりついている。  どこかの魚屋から飛んできたのか?   不思議なことにタコは自らの足で窓を叩いていた。  窓の前に立つ僕に気づくと、顔をこちらに向けた。  くぐもった声が聞こえる。  窓を開けると、僕にも理解できる言葉が聞こえた。 「すみません、入れてください」  タコが助けを求めている。 「お願いします、中に入れてもらえませんか?」  僕は泥だらけになったタコを一時的でもいいから助けたいと思った。 「うちで良ければ、どうぞ」 「ありがとうございます」  僕はタコを部屋の中に入れた。フローリングの床に水溜りができた。 「とりあえずタオル持ってくるんで」  「お構いなく。私は平気ですので」 「部屋が濡れるのが嫌だから」  タオルを渡すと、タコは丁寧に身体を拭き始めた。
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