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そんなある日、サブリーダーのドコロが顔を硬らせながら皆を集めた。
見せてきたのは変哲もない彼のスマートフォンである。液晶画面にはメールが一通だけ届いている。
『件名 ご依頼受け付けました
時刻 四月二十日 午前十一時
場所 東大井ステーキ店
報酬 当方の移動にかかった金額+昼食
ご依頼内容 ご自宅での怪奇現象
以上で承りました。 百合哉』
「迷惑メールじゃねえのか?」
ヨシキがそう言ってからかうが、彼も同じように顔が強張っている。
「俺が依頼してるんだよ」
ドコロがそう言って送信メール履歴を見せる。
『件名 依頼をお願いします』
件名だけで内容は無い。問題なのは送信時間だ。
「昨日の十四時ちょうど」
「それはおかしい。昨日は収録だったろ?」
ショウの言葉に全員がうなずく。
昨日は遠方で一日中アスレチックをする撮影をしていた。
破損の恐れがあるので必要な機材は一切ロッカーにしまい撮影に集中していた。スマートフォンも同じようにしまわれていたはずだ。
「しかも、待ち合わせ今日の十一時って、この店で大食いの撮影あるんだぞ?」
「間違いでも、本当だとしても会う可能性はあるってことか?」
「ファンじゃないのか?」
「でも俺から送ってるんだぞ」
ぎい。
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