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整った顔、茶色の上に琥珀色の瞳。二十代であろう男性は穏やかにそう言った。
「こんちは! えっ、視聴者さんですか?」
誰よりも早くメンバーの中でも一番コミニュケーション能力があるヨシキが反応する。
それを聞いた男性は苦笑いした。
「私はあまり芸能関係に詳しく無いので……。依頼を受けました、百合哉と申します」
全員が思い浮かぶのは今朝、ドコロが見せてきたメールだ。
「そのことなんですが……。本当に申し訳ないんですが先に用事があって」
「存じております。あなた方が大食いに挑戦している間、私は離れた場所で待っているという話でしたので」
「メールにそんなこと書いてありましたか?」
「メールは最初と最後のやりとりだけです。実際には通話をしたんですよ」
通話? 全員が驚いてドコロを見る。見られたドコロ本人も驚いてスマートフォンを確認すると確かに昨日の十四時に電話をしている。
そんなわけない。だってその時間帯はアスレチックをしていた。
とは思ったが、口に出すと余計に怖いと思い全員は口籠る。男性はそれを察したのか穏やかな表情のまま首を横に振った。
「そう言う時もあります。そこまで必死なんでしょう」
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