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2―
夜の帳もおりて数時間、道路上でバイクを疾走させながら、
「状況はどうなってるッ!」
無線機越しに怒鳴るように少年は問いかけた。
『現在戦闘人形(オートマタ)が対象と接触、交戦を開始。特対のほうが避難誘導に当たってるわ!彼ら随分慌ててるみたい』
「俺たちに交戦許可は!?」
『とっくに下りてるわ!B-3地区は戦域指定されてる!他の班の人たちも向かってるみたいだからあんまり無茶して先行しないで!』
普段であれば自分たちのような学生、いわば魔導士見習いに交戦許可が下りるまでこんなにも短時間がであることはなかった。よほど人手が足りないのだろう。
中央新都と呼ばれるこの場所においてさえ、ここ最近の魔導災害と呼ばれる人為災害の発生率は異常な事態だった。以前であれば数か月に一度程度であったものが、一週間に数度続くとなれば対応から復旧までかかる人員が足りなくなるのは当然だろうか。
彼が聞いた話では現場に不慣れな後方支援の人間まで駆り出されているらしい。
「了解。できるだけ善処はするさ!っと、目標区域に入った!」
運転していたバイクのスロットルをさらに捻り少年はさらに速度を上げる。
排気音に混じり前方からに銃声、加えてオートマタ達だろうか機械の擦れ合う様な作動音が聞こえてくる。先ほどまで鳴り響いていた警報音などはもう止まっていた。
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