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「索敵(サーチ)」
晶の呟くような声に反応しその黒味の強い右目が赤く染まり、自らの意識の中に周囲の状況が流れ込む。
だが周囲に気配を感じることはなかった。
「まさか……ね」
小銃を構えながら、ゆっくりと晶はさらに歩を進める。
目標である災害発生場所まではもうそんなには遠くないようだ。証拠に先程まで動いていたであろうオートマタ、対魔導災害用戦闘人形の残骸がそこかしこに転がっている。砕かれ、千切られ、潰され無残な姿をただ晒していた。
数分ほど歩いた晶の頬を唐突に生暖かい風が撫でていく。
その風に運ばれてきた、オートマタたちのものとは違う鉄の匂い。
と、同時に目に入ったのは身体中が黒く染めあがった女性らしき”何か”とそれを取り巻くように立つ自分と同じ小銃を持った影が10数体。
先程使用した魔法では感知できなかったそれらが、そこにはいた。
「そんなっ……」
状況を把握できずに、晶の身体は思わず後ずさりしてしまった。
気が動転してしまっていたのだろうか、普段であればもう少し気が回っていたのかもしれないが足元に転がっていた薬莢に足を取られてしまう。踏ん張りが効かず尻餅をついてしまった瞬間に腰に装着しているホルダーが地面に接触、乾いた音が辺りに響き渡る。
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