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老婆が店の前の道を歩いている。下は紺のジャージ、上はグレーのシャツを着て、エプロンを重ねている。頭にはうなじも覆う帽子をかぶり、典型的な農作業をするお婆ちゃんのいでたちが完成されている。エプロンと帽子がドット柄で統一されているのが少し可愛い。
背中が曲がったまま老婆は歩いている。トボトボというか、ヨチヨチというか、そんなくたびれた歩き方は、まるで私自身を見ているかのように詫しい気持ちにさせられた。
私は今、生きるのが苦しい。一歩一歩進むのが辛い。いや、そもそも前に進めているのかも怪しい。本当にこれでよかったのかと、心のどこかで日々、自問自答を繰り返しているからだ。
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