第2章:死体を描く少女

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「その少女はフィレンツェ中心街にある サン・ピエロ大聖堂の正面入り口へと続く 階段に腰掛けて絵を描いているそうだ。 興味が湧かないか? そうだカルロお前はどうせ毎日暇だろう。 明日二人でその少女を観に行かないか?」 幼い頃に画家になるのが夢だったカルロは その少女が描く絵画を見てみたくなった。 キリスト教会の権威が強かった当時 (けが)らわしい(しかばね)の絵を描く画家など 滅多にいなかったのだ。 物珍しさと恐いもの見たさに ミゲルの提案を承諾したカルロは (うなず)きながらチェス盤上にある ナイトの駒を移動させて チェックメイトを宣言する。 ミゲルは苦々しい顔をしながら言った。 「明日の朝いつもの時間にお前の家へ 迎えに行くから待っていろよ」
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